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●ご注意
磁性材料
- 1. 材料本来の磁性特性を発揮させるために、所定の部品加工後に指定された磁性焼鈍を施して下さい。
- 2. 磁性焼鈍後に変形・歪みを加えますと、磁性特性が劣化し不具合が生じる場合がありますので、焼鈍後の部品の取扱には十分ご注意下さい。
- 3. カタログ上の磁気特性はリング状サンプルの閉磁路での測定値であり、保証値とは異なります。この値を正として部品設計されますと不具合が生じることがありますので、部品形状により磁気特性が受ける影響を考慮のうえ設計して下さい。
封着材料・低膨張材料
- 1. 封着材料は極低温(※)で相変態を起こします。もし極低温でご使用される場合は事前にご相談願います。※ (極低温 73〜195K)
- 2. 引張応力下で銀ろう付けを行いますと結晶粒界に沿って銀ろうか浸透し銀ろう割れを生じます。銀ろう付けをされる際は引張応力が加わらないような設計をするか、あるいは事前にニッケルめっき等を施して下さい。
- 3. 引張応力が付加された状態で腐食環境(特に塩素系)にさらされると、応力腐食割れが発生する事があります。封着後の封着材料には残留応力や歪みを極力小さくするとともに、腐食性物質(めっき液など)が残存しないようにご注意願います。
- 4. ガラス封着する際、酸洗処理等の前処理を実施し、材料表層や表面の脱炭や清浄化を十分行わないと、発泡することがあります。
- 5. 極低温で相変態により熱膨張が大きくなるものがあります。極低温にさらされる可能性がある場合は御相談願います。
- 6. 低膨張合金には、変移点(磁気変態点にほぼ一致)があり、この点より高温度領域では熱膨張が大きくなります。御使用に際してはご配慮願います。
クラッドメタル
- 1. 複合板の材質の組合せによっては、接合強度の弱いものがあります。曲げ、絞りなど接合強度を越える力が加わると剥がれが発生しますので、加工条件設定時にはご注意下さい。また熱処理を追加すると接合強度が低下する組合せもありますのでご注意下さい。
- 2. 表・裏を区別して使う必要のある複合板は、表・裏の誤用がないようにご注意下さい。
- 3. 複合板は、異種金属の接合体であることから、電食現象は一般的には避けられない問題です。とくに端面が腐食性環境に露出するような場合にはこの現象が促進されるため、保護処置が必要となります。
バイメタル
- 1. カタログに記載された許容使用温度範囲以外で使用されますと、動作不良による不具合を生じますので、必す許容使用温度範囲以内でご使用下さい。
- 2. 冷間圧接、部品加工の残留応力を除去する熱処理(エージング)なしで使用されますと、使用中に初期位置(原点)・動作点が変化して精度が維持されず、動作不良による不具合を生じますので、必す部品加工後にカタログに記載の温度以下でエージングを施してご使用下さい。
- 3. 使用時・組立時に作動、拘束、外力などによりバイメタルに生じる応力が許容応力を越えますと塑性変形を生じ、動作不良による不具合を生じますので、許容応力を越えない様に設計してご使用下さい。
- 4. プレス加工、切断で生じるバリは、バイメタルの動作を拘束し不具合を生じる危険性がありますので、バリを除去するなどのご対応願います。
- 5. めっきなど金属被覆をして使用される場合、被覆厚さが厚くなりますと、バイメタルの動作が拘束され、わん曲係数が変化し、また、体積抵抗率も変化することがあります。その場合、設計と異なる動作をして不具合を生じる危険性がありますのでご注意下さい。
- 6. スナップアクションタイプでの使用では、材料に過大な応力が加わると動作温度が変化する恐れがありますのでご注意下さい。特に動作回数の多い場合は事前にご確認下さい。
- 7. 高膨張側に高マンガン合金あるいは黄銅を使用しているバイメタルは下記項目についてご注意下さい。ご使用の際にはバイメタル部を密閉タイプにするなど設計上の配慮が必要です。
- (1) 腐食雰囲気中で使用した場合、動作不良を起こすことがあります。
- (2) 応力が加わった状態で腐食雰囲気にさらされると、応力腐食割れにより破損することがあります。
- (3) ボンド等の接着剤、有機物質から発生するガスは、マンガン合金の腐食を促すことがあります。
- (4) めっきなどの前処理で酸洗などを行うと反応して腐食することがあります。
- 8. 材料表面にエッチングマークをつけている製品はエッチング液成分による発錆を防止するために防錆油を塗布した状態で納入させていただいております。
物品の取扱い
- 1. 板・条・棒・線の切断端、エッジは鋭利な刃物のように切傷の原因になりますので取扱には十分ご注意下さい。板・条・棒・線は開梱時に結束バンドを切る時、 バンドおよび製品の端末が跳ねて事故を起こす危険性がありますので、取扱には十分ご注意下さい。特に、ばね性の強い板・条・線は本体が激しく跳ねて事故を起こす危険性がありますので、取扱にご注意下さい。
- 2. 板・条・棒・線は開梱時に荷崩れによる事故を起こす危険性がありますので、取扱には十分ご注意下さい。そのまま結束しているバンドに吊り具を直接掛けて運搬すると、バンドが破断して結束がバラけて事故を起こす危険性がありますので行わないで下さい。
- 3. 板・条・棒・線は相包材も含めパック、ダンボールともかなりの重量ですので、運搬・移動には転倒・落下に注意するとともに、腰痛対策もお願いします。
- 4. 加工品の取扱いに関して、事前に必ず弊社にお問い合わせください。
設計一般
- 1. 金属材料は、いずれも特定の機能を所定の用途で活用いただくように設計された製品です。カタログに記載された以外の用途でご使用の際は事前に必す弊社にお問い合わせ下さい。
- 2. カタログの特性値はご使用時の保証値ではありません。金属材料はご使用になる寸法・形状などにより、カタログの特性値が得られない場合がありますので事前にご確認下さい。
加工・使用
- 1. 金属材料は変色、発錆しやすいものがあります。変色・錆により機能の低下を生じ思わぬ不具合を生じる場合がありますので、保管時、使用時には変色・錆を生じないように環境に留意して下さい。必要があれば防錆処理を施して下さい。
- 2. 応力の加わった状態で腐食性の環境で使用されますと、応力腐食割れによる破壊が生じる恐れがありますので、使用環境に適した材料の選定および残留応力の除去をしてご使用下さい。
- 3. 金属材料は、高温の熱処理では酸化され易いので、溶接、めっき等の後加工時や接触抵抗等、使用時に不具合が予想されるときは、酸化膜を除去して下さい。
- 4. ろう付けやスポット溶接を行うと熱影響部およびその周辺の特性が劣化したり歪みが生じたりしますので事前にご確認下さい。
- 5. 材料には方向性があるため、曲げ加工で亀裂を生じて不具合につながる恐れがありますので、出来るだけ曲げ加工は圧延方向に直角に行い、また平行方向に曲げる場合は、鋭角な曲げは避けて下さい。
- 6. 繰り返し変位の加わる使用状態では、疲労による破壊を生じる恐れがありますので、疲労強さ(疲労限度)以上の応力の繰り返し変形での使用は避けて下さい。
- 7. 加工時に発生する金属粉は、吸引すると健康を損ねたり、燃焼しやすく火災の原因となる恐れがありますのでご注意下さい。
化学的・物理的性質
- 1. 純ニッケルおよびニッケルを含む合金は、長期間直接皮膚に接触すると皮膚疾患をおこす恐れがありますのでご注意下さい。
- 2. コバルトを含む合金は、中性子線を浴びると半減期の長い放射能を帯びますので、特に原子力関連の用途では、使用環境に十分配慮して下さい。
- 3. 磁性材料、封着材料等大部分の金属材料(鉄、ニッケル、コバルトを含有する強磁性体)は高周波磁場により発熱します。温度上昇による特性劣化、焼損にご注意下さい。また、強力な磁石等磁力に吸引され、磁化、変形、損傷することがありますのでご注意下さい。
※適用法令などについては、SDSを取り寄せご参照願います。